Enjoying Equine Culture~午年生まれのウマ記録~

千の希望と申します。競馬を中心とした馬事文化について備忘録のためにコツコツ趣味程度に記録します

2024年 天皇賞・秋考

東京芝2000m(左回り・Bコース)の天皇賞・秋。野芝にオーバーシードされた洋芝の育成具合も進んでいる様子。ゴルフコースにたとえると、野芝はフェアウェイ、洋芝はラフといった感じになるので、近年の野芝に洋芝がオーバーシードされている京都や東京では、米国血統の軽い持続スピード(長くいい脚が使える)だけではなく、欧州瞬発力やパワー(道悪にも対応可能)も必要となってくるようです。

ただ、四条ゼミでも何度も学んだことですが、最近になってときどき、テンも中盤もしまいも緩まない、「スタミナ持続ラップを刻むタイプのレコード勝ち」の例が起きているそうです。ほぼずっと1ハロン11.4とか11.5とかで走り続けるペース。2023年の秋天のイクイノックスや2024年皐月賞ジャスティンミラノがその代表例とのこと。特に2023年の秋天は、先行勢が軒並み沈んでいき(そのなかでも5着だったガイアフォースは本当に大健闘だったと思います)、たまたま出遅れてしまって他の馬とまったく別の競馬をしていた最後方組のジャスティンミラノがスタミナ持続力を、プログノーシスが瞬発力を発揮して突っ込んできた、という形になったとのこと。

以下、注目馬の血統を整理します。

 

1べラジオオペラ

カナロア産駒は、ミスプロ×インリアリティは軽い快速スピードをもち、ストームキャット×リボーのパワーで道悪も一応こなす。母方のラジャババとボールドルーラ=軽いスピード。カナロア産駒×欧州系=距離が延びるが2000まで。牝系はリボー直仔で、4代母アイドリームアドリームはエアシャカールの母(京都が得意)。軽いスピード血統が多く、良馬場のほうがよいか。中盤ゆるまなかったらワンチャン。

3ステラヴェローチェ

牝系にゴーンウエストがありクロノジェネシスに近いけど、グレイゾブリン系(底力要素)がないので勝ち切れない。道悪◎

4タスティエーラ

父方トライマイベストは仕上がり早(ピークは3歳春~秋。トライマイベストの母セックスアピールを牝系にもクロスで持つアーモンドアイもパフォーマンスのピークは3歳秋で、牝馬は徐々に衰えるが牡馬は衰えが早くなる傾向)。しかし牝系にクラフティワイフミスプロ×インリアリティ[父インテンションナリ]軽いスピードを爆上げ)で晩成要素。牡馬版クロノジェネシスという見方も。4歳秋にどこまで成長力をみせることができるのかが鍵。

5ノースブリッジ

モーリス産駒はスピード持続タイプが多いイメージ。母父アドマイヤムーンの父エンドスウィープの米国スピードがありつつ、父方母方両方の在来牝系=ごりごりスタミナ。早い上がりは出せない。中盤ゆるまなかったらワンチャンあるか。

6ソールオリエンス

欧州瞬発力。リファールクロス(瞬発力)。大阪杯は血統的に向かず、グランプリ向きか。牝系シャーペンアップは道悪◎、牝系にシカンブル+父系にモスボロー=スタミナ◎。中盤ゆるまないのは苦しいが、スタミナの血が奥深くあるので、昨年のイクイノックスみたいに、スタミナ持続ラップに対応しちゃうこともあるか?

7ドウデュース

ハーツ産駒の若駒は米国軽いスピード持続、古馬トニービン、リファールが前に。牝系リボー系(欧州パワー、瞬発力)。母父母父ストロベリーロード(豪州血統)は叩いてよくなる。スタミナ要素は(テスコボーイを経由しない)プリンスリーギフトニジンスキー[この形はラインゴールド(の祖父がPギフト)&ニジンスキーをもつフィエールマンに近い]。血統的には道悪は対応できると思うが宝塚の敗因は「雨中」も原因か。復帰初戦は厳しいか。

8キングスパレス

牝系にあるリボークロスは欧州パワー。実績的にはレース内で早い上がりタイムもでて善戦する。グリーンダンサーのクロスもあり、平坦に強い血統(シンエンペラーにもある)。中盤のペースがゆるむとワンチャン掲示板にくるか。道悪になればもっと面白くなるかも。G1に対応できるか微妙(G2、G3で勝ち切れない)。

9ホウオウビスケッツ

毎日王冠で2着になれたのは洋芝の育成が遅くなり、「新潟夏開催」さながらの野芝状態だったから。マインドユアビスケッツの父の母父ラーイもつバラード牝系要素は新潟の平坦強く、持続力による(デピュティミニスター要素のクロフネと同じように)。母方のハイクレア牝系は晩成でスタミナ要素もあるか?トライマイベストの欧州瞬発性とパワー(仕上がり早)もありつつ、やっぱり持続力タイプか。中盤ゆるまないペースならワンチャン前残りはあるか。

10ダノンベルーガ

父方牝系にあるトニービン×リファールは欧州瞬発力・パワー要素。くわえて牝系奥にもドイツ血統ズルムの瞬発力ともある。スタミナ血統のモスボローもあり。母母父のシアトルスルー系の米国の軽いスピードの血も併せもつ。

11ジャスティンパレス

母父父シアトリカルはじりっぽく、シアトリカルの母父ササフラは牝系パレスルーマーの子は若い時は米国持続血統(ダマスカス+インリアリティ)、古馬になって欧州っぽさ(柔らかさ)が少しでる。母母父の牝系奥にモスボローのスタミナ要素あり。スタミナ持続ラップが発生すれば面白いか。

12リバティアイランド

ドウラメンテ産駒は母方をブーストする。母父母父ストロベリーロードはたたき要素。トライマイベスト&同血統エルグランセニョールのクロスで仕上がり早がどうでるか(下降のペースがどうでるか)。かつ放牧中に体が緩んでいないらしく、ドゥラ産駒にある体質変化(豪血統から、母母父ザールにある米国持続スピードのゴーンウエスト血統へ)を起こしている可能性も。その場合は、秋天がピークになるか。

14レーベンスティー

母父テイオーのもつ在来牝系のスタミナ。トウカイナチュラルの欧州性が柔らかをだしている(テイオーステップもその影響)。リアルシャダイの母方にもつインリアリティは軽いスピードの血で、ミスプロ×インリアリティで軽い爆走要素になるので、パンパンの良馬場がよいか。母父テイオーというのがやっぱり夢があります。

 

最終的な印は当日の馬場状態や東京のレース傾向をみながら最終的に決めますが、今のところは、以下のようなイメージ。

<基本柱:中盤ゆるんでもハイペースでも上位に来そうな馬>

1べラジオオペラ

6ソールオリエンス(中盤ゆるむほうが良いが、スタミナ持続ラップも対応できるのでは、と、四条ゼミで学んだことを活かしつつ、ここは自分なりの意見を入れてみました[間違っているかもしれませんが、仮説は大事])。

12リバティアイランド

<Aパターン:中盤ゆるんで上がり勝負>

7ドウドュース

8キングスパレス(穴目:G2、G3を勝ちきれないボンドガールを秋華賞で軽視した反省から)

14レーベンスティー

<Bパターン:中盤緩まずハイペースに(スタミナ持続ラップも含む)>

9ホウオウビスケッツ(逃げ残り) 

11ジャスティパレス

 

~レース前予想(Aパターン想定)~

◎6ソールオリエンス

○12リバティアイランド

▲14レーベンスティー

△べラジオオペラ

☆(抑え)7ドウドュース

☆(穴目)8キングスパレス

~買い目~

3連複BOX:1,6,7,12、14

3連単フォーメーション:1着(6,12,14)、2着(6,12,14)、3着(1,6,7,12,14)

3連単BOX6,8,12

3連単BOX6,8,14

ワイド:9,11(Bパターン用の保険)

 

〜レース後の回顧〜

ドウドュース、あっぱれです。タスティエーラは切ってました💦ラップライムが11秒台後半〜12秒を刻んでて、そんなに早くはない持続ラップになったもよう。Aパターン想定の馬の中ではドウデュースのみがきました。 3、4着に上記のBパターン対応の馬がきたってことはそこまで的外れな考え方ではなかったのかもしれません。結局ソールとレーベンについては、もっとペースが緩むか、もっと後方で別のラップを刻むか、したほうがよかったかも。リバティの敗因も気になりますね。ソールはやや持続ペースっぽくなっても対応できると踏んでたのですが、不発でした…。難しい…。